ランカウイ日記

いろいろありランカウイにも居を構えることになり数年。ランカウイ日記を書いていきます。

ランカウイ日記 51 ヘイズ 1 (API値リンク先修正)

 

このエントリーを掲載後、状況が悪化しているので、是非こちらもお読みください。

ランカウイ日記 52 ヘイズ 2 続報 (ヘイズ状況 10月7日 6日のAPI値について追記) - ランカウイ日記

ランカウイ日記 58 ヘイズ 3 (2015年10月27日追記) - ランカウイ日記

 

 

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写真 ヘイズの襲来を報じる8月27日付け各紙。 

 


数日前からHaze(ヘイズ・煙霧・もや・かすみ)がひどい。

ランカウイの場合ヘイズはインドネシアスマトラ島から飛来します。一つには、インドネシアの農民が森林を開墾するために燃やすのです。手っ取り早く徹底的に。南西から吹くモンスーンが終わる9月中旬までこのヘイズは続くとのこと。当然マレーシア政府はインドネシア政府に対し状況の改善を度々要求し、インドネシア政府も対策を取るよう約束していますが、約束はあくまで約束に過ぎず、経済発展が著しいとはいえ農民が大半を占めるインドネシアには事情と言い分があり、何ら現実的に改善されることがなく、毎年このヘイズはやってきます。

 

いわゆる焼き畑農業で、なぜ、これだけの煙害が発生するかというと、泥炭が原因。インドネシアの湿地は植物遺骸の堆積物である泥炭からなっています。石炭の一歩手前とも言える泥炭は、いったん火が付くと何週間も時には何ヶ月もにわたりくすぶり、燃え続けます。熱帯雨林の泥炭は本来湿っており燃えることはないはずのものですが、製紙やパーム油生産のために開墾を続け、豊かな水を蓄える地上の木々を伐採、また、地下水を多量に産業に利用した結果、泥炭層は上からも下からもからからに乾燥させられ、自然発火することも。というわけで、対策としては、森林伐採を止めることにつきるようですが、伐採すればお金になるわけで、止まらず、乾燥した泥炭地は毎年増えていきます。煙霧は、今後ひどくなることがあるとしても、なくなることはないでしょう。

 

ヘイズなどの有害な物質を含む空気の汚染度を測るためにマレーシアで使われているAPI(Air Pollutant Index)という指標があります。API値が0〜50が良好、51〜100が普通、101〜200が健康に良くない、201〜300が健康に非常に良くない、301以上は危険を表します。ちなみに、300を越えたのはこれまでで2回だけだそうです。

 

インドネシアとの位置関係、天候の影響、実際の野焼きの規模等でマレーシア各地の数値は様々に異なります。ランカウイの今日の値は58。ランカウイは昨年の統計では月毎のAPI平均値が50を越えたことはほとんどなく、東マレーシアではもっともヘイズの影響が少ないところの一つだそうです。ランカウイに近いペナンでは先日27日に97を記録し、学校の屋外活動の取りやめが勧告されたそう。今日は62ですが。昨年の値ですが、ひどいところでは200を越えたところもあり、例えばクアラルンプール北西のマンジュンではAPIが247に達し学校が数日間休校になったそう。

 

最新のAPIはここで確認できます。

Department Of Environment, Air pollutant index

 

ただ、根本的に政府が信用されていないマレーシア、「こんなに曇ってるのに、こんな数値が低いわけがない、政府は低めのAPI値を発表しているはずだ」と疑っている人も多いようです。天然資源環境省大臣曰く、そんなことないぞ、視界不良が必ずしも空気の汚染を意味するわけじゃないし、このAPIはうちだけじゃなくて他のASEAN諸国も使ってるし、との反論。とはいえ、APIの計測システムは20年以上にわたり同じものが使用されているようで、今後2年ほどで、システムを刷新するとのこと。また、乾燥した泥炭地に、チューブを張り巡らし水分を与える方法を試しているようですが、焼け石に水でしょう。

 

いまのところ旅行者の方がランカウイでヘイズによって行動を制限されることはありません*1。ただ、しばらくは霞んだ日が多く、南国のきらめく太陽は期待しにくいでしょう(雨の後はましになります)。

*1:僕は肌や喉や鼻が強い(あるいは鈍感とも言う)のでなんともないのですが、人によっては何かあるかもしれません。