ランカウイ日記―ランカウイのブログ

いろいろありランカウイにも居を構えることになり数年。ランカウイに関するブログを書いていきます。

マレーシア日記 33 マレーシアにおけるサービス

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最初マレーシアと関わり始めた頃、そのサービスのいい加減さに唖然としていましたが、今では、これはこれでまぁ、良いのかなと思うようになりました(それでも腹が立つこともありますが)。

おそらく結局のところ社会全体が「差し出す側」と「受け取る側」のどちらに忍耐を求めるかの違いで、日本とマレーシアのどちらが良いというわけではないのだろう。例えば日本だと、ギフト包装の包み紙が少しでもゆがんでいたとしたら、客はぷんぷんおこって店員にやり直させる。そのやり直しの労力といった負担、あるいは、そもそも歪ませないように完璧にできるようになるまでの訓練や、閉店までにやり直しが間に合わない場合は残業するといった負担を「差し出す側」が負う。一方、マレーシアでは、その歪んだ包装で我慢するという負担を、まあしょうがないかと「受け取る側」である客が負う。前者は、社会に緊張を強いる(多くの人は多かれ少なかれ何かを差し出して生きてる)が、サービスの向上につながるという側面がある。後者は、社会は寛容になるけれど、サービスの水準は低いままだろう。日本を旅行する外国人旅行者の多くが、日本のことを、サービスがきっちりしていて最高だといってくれるようだけど、旅行者は「受け取る側」だけを経験して帰るので、それはそうだろう。ひとたび「差し出す側」になってごらん、大変だよ、と。あるいは言い方を変えると、日本が迷惑をかけないことを重視しているとすれば、マレーシアは迷惑をかけても許すことを重視しているともいえる。

 

というわけで、腹が立つことも多い*1と思いますが、許してやってください。

 

それでも腹が立ったらやはりクレームを入れることになると思うのですが、マレー人は叱責に慣れておらず、しかもとてもプライドが高いので、他の人が周りにいる状態で文句を声高にいうのは止めた方がよいと思います(基本的に、どこどこの国の人はこうだという固定観念的な言い方はしたくないのですが、それでも)。そのような光景は僕たちの想像以上に恥ずかしいことに感じるようです。ホテルスタッフの場合は、本人のいないところでマネージャーに、というほうがよいでしょう。

 

 

 

*1:入国管理でパスポートを渡すと係員があきらかに個人のスマホにメッセージを入力中で「ちょっとまって」といわれたり、タクシーの運転手が、僕が客として乗ってるのにガソリンスタンドにはいり給油を始めるなど、いや、あげだすときりがない。僕自身は、マレーシアで「差し出す」側でもあり、全体としてまぁ、いいかと思えるのですが、短期間の旅行だと腹が立つだけで終わるかもしれません。